法人概要

理事長所信
【2025年度 スローガン】
起動
【基本方針】
1、海老名市民が描く海老名市の理想的な都市像の抽出と周知
2、海老名市の青少年が輝く居場所づくりに向けた試み
3、海老名市民の行動を促す的確な広報
4、地域社会の開発に取り組むリーダーシップの研修
5、草の根運動が輝く組織運営
6、設立50年周年に向けた新たなビジョンの策定

第45代理事長
鈴木輝彦
はじめに
豊かな大地に黄金の精神が輝く――。
海老名の街に住まう人々の精神が輝く時、私たちの街は黄金の輝きを放ちます。
数万年前から集落を形成し、2000年以上前から稲穂が実るこの豊かな大地は、700年代に仏教の普及の拠点として発展し、のどかな時代を経て、現在は国内でも稀有な都市開発が進み、人口が増加する活力ある街です。
個人市民税や固定資産税の増加により3年連続で一般会計、予算規模は増額で過去最大となっていて、近隣市町村からは成長が著しいと羨まれる海老名市も、この国が抱える人口減少問題に2039年から直面することが予想され、同時に高齢化も進むことから、中長期的には歳入の減少と歳出の増加は避けられず、公共インフラの維持にも予算を割かねばならない財政課題を有しています。
他方で海老名市を取り巻く環境を見た時に、我々は現在、少子高齢化や不安定な国際問題と国際経済の影響を受けて起こる国内経済力の減衰や従来の終身雇用制度の解体路線などによって国民の暮しの不安は高まり、またこれらへの対策を講じるべき政治はリーダーシップを欠き、国民からは不信の声が募っており、社会の分断が進んでいます。自然環境の問題も我々の生活に影響を与えることを近年の異常気象は体感させるもので、長期的には地域によって生命の危機すら予測されます。社会問題は山積し続け、取り返しのつかない事態を迎えるシナリオを唱え、現代社会に警鐘を鳴らす碩学は少なくありません。
社会全般において後ろ向きになりやすい情勢であることは確かですが、陰極まりて陽生ずと悠久の時代から言い伝えられてきました。近年ではビジネスにおいて社会問題こそ、革新を生む種であることを世界の先進的な企業や起業家たちが示しています。
この暗がりの中、社会を照らす原石を手探りで見つけることは困難かもしれませんが、当事者の我々が手を携え、AIをはじめとする高度情報化を生かし解決へ向かわなければなりません。
幸いにも我々海老名の街には今後も中長期的に続く都市開発により資本が集中するという好機が確実視されています。
海老名がこれからも末永く人が住み暮らし続ける街であるために、複雑化する社会の中で守成に努めつつ、次代に向けて草創の心掛けで取り組みを続けて行かなければなりません。
その中で、青年世代は持ち前の行動力と柔軟な発想で知恵を絞り進取果敢に、この街で自らの務めを果たすべく東奔西走し、輝いているべきなのです。
時代の変化を先読みし海老名の未来に向けて挑戦する意義が明白です。海老名の街は日本や世界から見れば小さなものかもしれませんが、その一隅を照らすことこそ、空海の教えの通り国宝に成り得るものだと信じています。
起動
2025年度、海老名青年会議所は運動のテーマを「起動」とし、海老名市民がまちづくりに参加する意欲が高まるよう草根の運動に取り組んで参ります。近年の海老名青年会議所はコロナ禍、ポストコロナへの対応から活動が限定的だったり、変化を迫られたりと短期的な取り組みに集中することが避けられませんでした。今年度は海老名市を取り巻く社会環境や内在する問題と正対し、今後の海老名市おいて種まきとなる活動を実践いたします。
この街で45年間、青年世代を牽引してきた組織が、これからの未来に向けて挑戦を新たに始める一年と位置付けたいと考えます。これまで以上に海老名市の青年にとって魅力が感じられるよう組織を磨くとともに、青年による海老名市での運動を通じて、街自体の輝きが増すような地域社会に好影響が波及する取り組に励みます。
会員においてはこのスローガンを契機に、1980年から始まった海老名青年会議所の歴史を重んじながら、次世代に求められる組織へ進化する起点になると信じています。約半世紀続く海老名青年会議所をさらに磨き、この組織で育まれる街を牽引するリーダーの精神をより輝かせ、まだ見ぬ後進たちが入会する備えとなるようにいたいします。青年世代が輝き続けるための地域社会のインフラの役割を担えるよう運動に努めて参ります。
海老名市民が描く海老名市の理想的な都市像の抽出と周知
海老名市では、2016年の第7回線引き見直しに基づく開発が進み、市役所周辺に新市街地が生まれつつあります。2015年には「ららぽーと海老名」が開業し、駅周辺には超高層マンションが立ち並び、街の景観も大きく変わりました。また、市南部の農地にも物流施設が建設されるなど、各所で変化が進みます。高度化された都市機能と田畑が残る田舎を感じさせる街並みの調和が魅力となり、転入者も増えています。
近年の海老名市の都市計画は、人口や個人市民税など量的な成功をおさめてきました。その一方で、人口減が進む国内においてこのような状態は稀で、他の都市はまちづくりの指標を質へと転換しています。国土交通省は都市の多様性とイノベーションの創出は「『居心地が良く歩きたくなるまちなか』からはじまる」という考えの下、「量に加え、交流・滞在など活動の質も重視する」とし、街中を活動の場ととらえ、市民の活動を支えるまちづくり、人間中心のまちづくりにより市民のクォリティ・オブ・ライフ(人生の質)を高める政策が進められています。
人中心の質への転換は、人口減への対策としてだけではなく、「米国で最も住みたい街」とされるオレゴン州ポートランド市では早くから取り入れられており、豊かな自然環境と産業の集積が市民に遊び場と職場を提供し、世界から注目されています。同市もはじめから理想的なバランスの都市を形成できていたわけではなく、1970年の自動車中心の都市形成による失敗を経て、約40年をかけて市民の声を反映させる行政機能を構築し、徐々にまちづくりを進め、現在の状況に至りました。
海老名市も中期的に人口減少によって、あらゆる構造の変化が求められることは避けられません。その時を迎えても住み暮らし続けたい場所であるために、新たに都市開発ができる好機を生かし、地域の魅力が感じられる都市の持続に力を注ぐ必要があります。
本年は海老名市民が描く海老名市の理想的な都市像を明らかにするよう、彼らの声を集めます。市民がどのような街を望んでいるかを知ることは都市計画を決定する行政はもとより、市民自体が知ることに意義があります。海老名の今と未来を担う世代が描く街の将来像が、市民の共通認識になることで、海老名市の理想的な都市構造と市民活動や商・遊の営みが活発化する未来に向けて行動する市民意識の醸成に努めて参ります。
海老名市の青少年が輝く居場所づくりに向けた試み
日本財団が2022年、日本、米国、英国、中国、韓国、印度の17~19歳を対象に行った「18歳意識調査」の中で、自身の将来や目標に関する質問に関して日本は最下位の6位で、「多少のリスクが伴っても、新しいことに沢山挑戦したい」かなどの問いに対して5割以上が「いいえ」と回答し、自身の将来に後ろ向きな心理状態であることを示す結果となりました。現在の社会環境や現行の学校教育の中で、主体性を持った成人の育成が困難である状況と言えるものです。
国立教育政策研究所の研究によると、社会的情緒(非認知)能力の発達には学級担任や友人との関係性、保護者との関係性、行事への取り組みの経験などの要因が関連していることを明らかにしています。また海老名市では社会環境の変化を受けて、2021年に教育大綱を刷新し、学校と家庭、地域の結びつきを強くすることを目指しています。児童が多くの他者と関わりを持てる機会を生み出し、遊びなどを通じて日ごろから主体的に目の前のことに取り組みができる環境が求められます。
海老名市は今後の都市開発の一環で、公園の整備を行う計画があります。公園は、子ども達はもちろん、全ての人を包摂し得る可能性を持った地域の居場所です。社会環境の変化と学校教育の刷新、さらには公園への投資が進む中で、新たな公園整備計画が海老名市の青少年にとって遊びと学びと出会いに溢れ、彼らに多くの機会を与える場所となるよう働きかけて参ります。
海老名市民の行動を促す的確な広報
スマートフォンの普及によって個人が発信できる時代に変わりました。ソーシャルメディアの台頭により新聞やテレビなどの既存メディアが従来の社会的な位置づけではいられなくなりました。情報の伝達は媒体の多様化と情報コンテンツを編集するソフトとハードの両面において個人が簡単に手を付けられるようになったことから、報道機関や広報や広告を主業務とする企業ですら難しくなり、一組織の広報部門が多くの共感を得ることは容易ではないことは明らかです。我々が情報を届けるべき市民の関心に応えられる発信、青年会議所運動を応援する人や協力者を増やす訴求の手法は常に進化が求められています。
これまで更新を重ねてきたホームページやソーシャルメディアなどの運用は市民から親しまれる内容はもちろん、親しみやすい方法での発信を心掛ける工夫が欠かせません。そこで2025年度はあえて発信の対象者を限定し、情報の受け手に直接的な行動変容を促し、ソーシャルメディアでの情報共有が連鎖し、その結果、多くの市民に訴求できる状態をつくります。さらに、これまで希薄だった既存メディアとの関係づくりも同時に進行し、個人だけでなく海老名青年会議所に共感しその運動を周知させたいと感じるパートナーシップの醸成にも取り組みます。
地域社会の開発に取り組むリーダーシップの研修
時勢から個人の主張が大衆の常識より尊重されることが増え、その結果、多様な意見が溢れる社会になりました。社会環境の変化により経済を取り巻く環境は大きく変わり、企業の規模だけでなく、家庭における経済格差も顕著です。さらにICTが進み場所を問わず様々な環境で活動ができる社会になりつつあります。このような状況は、会員にも当然影響を与えており、会員個人の価値観は多様化しています。その一方で、会員が活動する上での志向はこれまで以上に地域貢献といったものに集中する傾向があります。従来と異なる会員心理を踏まえ、これからの時代を見据えた人材育成に努める必要があります。個人主義的な価値観の傾向は程度の差はあれど、会員に見られるものです。会員は個人の可処分時間、一日、24時間をどのように配分するかを慎重に考えており、組織での活動に参加することを他の個人の活動と天秤にかけます。従来の慣習や組織の常識を理由に関与を促すことは難しく、常に意義と効果が感じられるような働きかけが欠かせません。意義が問われるからこそ、海老名青年会議所の本分に立ち返り、これまで以上に組織の理念の浸透を図ります。効果的な取り組みを望むからこそ、これまで以上に理念の実現が期待できる活動内容を考案できるよう会員の知識を増やし、理念実現に向けて真っすぐに行動できる思考を養う研修を実施します。会員の活動意欲を高め、能率的な活動を促し続け、その結果、「理念実現に寄与できた」という個人的な成功体験を得られるよう導きます。会員はJAYCEEとしての資質を獲得することで、これまでの視野や視座とは異なるものを手にし、利他の精神を育みます。「海老名青年会議所に所属していて良かった」と会員同士で語り合え、その経験を周囲に喜んで話す人材であふれる状態を目指します。
草の根運動が輝く組織運営
財務管理、情報管理、総務機能は組織運営の基盤です。また、対外的な連絡調整、渉外も組織を円滑に運営するために欠かせません。新たな挑戦に取り組むにあたり、これらの役割を適切に配分するとともにその担当者は責任をもって職務を執行しなければなりません。総会は組織運営において必要不可欠であり最重要であることは言うまでもありませんが、組織を象徴する場にも成り得ます。会員が議決権を正しく行使できるよう堅牢な業務執行に努めます。予算計画は理念の実現に向け効果的な配分であり、その執行は厳格に行われるべきものです。理事会は会員を代表し、財務はもちろん、事業執行上のあらゆる観点から能率的に実施される必要があります。総会や理事会、さらに委員会などで必要される情報は効率的に活用ができるよう適切な管理が求められます。組織外部との調整や渉外は、あらゆる活動の下地になります。信頼関係が維持、またより一層の向上が図れるよう努めて参ります。これらの運営を通じて、会員の活動が円滑に行われる環境を整え、さらにことに加え、充実した活動ができることにより会員の組織への貢献意欲を高め、ひいては海老名青年会議所の運動の最大化に寄与します。
設立50年周年に向けた新たなビジョンの策定
2030年に海老名青年会議所が50周年の節目を迎えるにあたり、あと5年となりました。孔子によれば、人は「五十にして天命を知る」と言います。我々の組織に置き換えれば、組織の存在意義がより一層明らかになり会員の目的意識がさらに強くなることと言えます。2025年の運動はその過程であり、50年の節目が強く輝いていることはもちろん、その先も永続的に海老名青年会議所が存続し、海老名の街を明るく豊かにしている状態に向けて歩むものです。先に記したまちづくりや青少年に関する取り組みは、いずれもその実情を明らかにすることに重きを置いています。この1年間の運動で得た情報はもとより経験と信頼は、2026年度以降の海老名青年会議所の運動において原石となることを疑いません。その原石をそのままにすることなく、財産として受け継がれるべく、本年は運動の成果を生かして海老名青年会議所の新たな中期ビジョンを策定します。起動させた新たな運動が起承転結と展開され、2030年には新たな輝きを放ち、次世代が輝いていることを願って止みません。
結びに
海老名市において青年世代を代表する組織は限られています。その中でも45年間といった年月を掛け、自主財源で、市民運動を続けてきた組織は唯一、海老名青年会議所のみです。あらためて先輩諸兄姉のたゆまぬ努力に感謝しつつ、その一方で今後もこの組織が青年世代に必要とされる組織であれねばならないと強く思います。
海老名青年会議所は20~40歳の海老名市在住、在勤の方であれば、誰もが入会する資格を有する組織です。広く門戸を開いている組織だからこそ、多くの市民の声に耳を傾け、知恵を絞り心尽くして行動し、自ら住まい、営みを行うまちをより豊かにする可能性をつくることができます。
20代、30代は若く、それゆえ、あらゆるものに情熱を注ぐことができる貴重な時です。個人の暮しや仕事に集中するだけでも十分なのに、それと同時に利他の精神でまちづくりに挑戦しています。この草の根運動が地域社会の中で輝くためには、まだまだ変化が必要です。しかし、我々が心を尽くして行った運動が輝く時、青年にとって憧れとなり、まちにとっては持続的な原動力になるのではないでしょうか。
若者が輝き、街を照らす。私たちがこの豊かな海老名に、新風を吹かすことができると信じています。私たちの祖先は、700年代にこの地で、60m級の木造建築、国分寺七重塔を築きました。これは、当時の日本全国でも非常に稀な偉業であり、相模国に仏教を普及させた歴史的な出来事です。この偉業は、海老名の先人たちと時の政府が力を合わせて成し遂げたものです。
今、私たちもまた歴史的な転換期に立っています。多くの移住者が集まり、大手資本が集中する現代において、私たちは理想の暮らしを実現するチャンスを手にしています。この機を逃さず、共に知恵を出し合い、力を合わせ、後人のために心を込めて行動し、私たちの明るく豊かな未来を実現しましょう。
海老名青年会議所について
「明るい豊かな社会」を作ることを共通の理想とし、20歳から40歳までのリーダーを志す青年で構成され、会員の職業、性別、国籍、宗教に関する制限は特になく、だれでも入会可能な団体です。主な目的は「修練」「奉仕」「友情」の3信条のもと、「人づくり」や「まちづくり」を通じて、次世代のリーダーとなりうる人材を育てています。
海老名というまちの中で、同年代の様々な人間と同じ時間を共有し活動することで、日常では経験できない体験を通じて、人間的な成長ができ、一生の仲間が出来る楽しさを味わえる数少ない団体です。
基本情報
法人名 | 公益社団法人海老名青年会議所 |
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住所 | 〒243-0438 神奈川県海老名市めぐみ町6 – 2 商工会館内 |
理事長 | 鈴木輝彦 |
電話番号 | 046-233-1805 |
FAX | 046-233-5893 |
info@ebinajc.or.jp |